岩田温著「流されない読書」を読みました。

政治学者岩田温氏の最新著「流されない読書」を読みました。

政治学者が書かれた、少しお堅い読書案内かと予想されましたが、一読して著者の語り口に引き込まれ、あっという間に(とはいっても人より読む速度が極端に遅い私ですので通勤電車内で3日ほどかかってしまいましたが)通読してしまいました。

著者は大学の先生もしているということで、語り口は平易でわかりやすく、序盤は数作エンターテインメント作品が紹介されていますが、メインはやはり古典、孔子ソクラテスからミルトン、現代ではエリック・ホッファーまで紹介する目配りぶり。

やはり第一線で活躍されている知識人だけあって、語り尽くされたはずの作品も興味をかき立てられます。(ミルトンのもう一つの大作については全く知らず、不明を恥じるばかり。。。)

個人的には、エリック・ホッファーを紹介するくだりには、若い頃の思い入れもあってひとりで勝手に熱くなっておりました。お金ない、仕事ない、恋人いない、将来くらい、のないない尽くしの時代があって、当時の自分にはエリック・ホッファーはまさに人生の先生だったように思います。

あの徳富蘇峰にも不遇の時代に心の支えとなる本があった!

大学の先生にも、普通のサラリーマンにも、そして寄る辺ないただひとりの人間にも、読書は人生の指針だと再認識。

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