山田ルイ53世さんのエッセイはおもしろい

日経新聞をとっていることの楽しみのひとつは、土曜版に山田ルイ53世さんのエッセイが載っていることです。

内容は、かつて寝る間もないほど売れっ子だった頃の体験、うってかわってテレビからお呼びがかからなくなってからの悲哀、一発屋芸人としての栄光を携えてたくましく生きる日常のエピソードなど、浮き沈みの激しい人生を、しかしどことなくのんびり構えながらやり過ごしてきた感を漂わせながら、つらつらと書き綴られたモノで、いつの間にかファンになってしまいました。

秀逸だったのは、同じ一発屋芸人仲間の小梅太夫さんのエピソードを紹介した回。

全国に顔を知れていたものの、その素顔はあまり広まっていなかった小梅太夫さんが、なんとか息子に父が小梅太夫だったことを隠し通そうとして必死の努力をしていたのに、とある行事で結局知れてしまうくだりは是非とも読まれるべし、久しぶりに文章で笑ってしまいました。

芸人さんは売れる売れないにかかわらず、毎日人を笑わすネタを考えるしんどい商売。週に1回のエッセイがおもしろいのは当たり前か。

毎回のオチも欠かすことなく(律儀だなあ)、楽しませてもらっています。

最近テレビを見なくなり、芸能界やお笑いの世界に関する情報がほぼ入ってくることがないので、今現在、山田ルイ53世さんがどのようなポジションにいて、どんな芸能活動をされているのか、本エッセイでしか知ることがないのですが、シルクハット&あのダルマさんのようなお顔を思い浮かべながらその文章を読んでいると、きっとまた第一線に復活してくるような気がします(すでにテレビで復活していたら不勉強でしたスミマセン)。

しかしまあ、全国紙に毎週エッセイが載るなんて、一般人から見れば、雲の上の存在、明らかに今現在第一線の人ですね。