クリント・イーストウッド「運び屋」を観ました。

クリント・イーストウッドの最新作、評判がいいようですので、観てきました。

90歳になろうとするアール・ストーン(主人公:クリント・イーストウッド)は長年園芸家として成功し、周囲の人々の注目を浴びることを第一義に人生を過ごしてきたため、時代に取り残されて事業に失敗した現在は家族から全く顧みられない存在となっていた。孫娘のパーティーに同席するのを妻と娘に拒絶され、打ちひしがれた彼にある男が金目になるダーティーな仕事をもちかけ・・・

ああこれは老境にいたってまだまだ第一線の表現者であるイーストウッド監督から自分のような老人へのメッセージなんですね。

まだまだやりなおせるよ。新しいモノにも挑戦できるよ。家族は大切だよ。特に、うん家族は大切だ・・・(家族を愛するアメリカ人にとって、家族の誕生日、洗礼日、堅信日、結婚記念日は最低限ぜったいに忘れてはならないモノなんだなあ)

うん。でも人間そのものは変わらない。変えようがない。いかにも白人男性の嗜好、振る舞い(偏見も含めたもの)はそのまま、主人公は稼いだ金を家族だけでなく、古き良き自分が愛してきたコミュニティにも使い、つかのまかつての優雅な日々も満喫することができたけど、ある日・・・

いや2時間を超える作品ですけどずっと引き込まれたままでした。

主人公の車がオンボロの車(例のあれに登場した車?)から最新のピックアップトラックに変わるくだり

依頼人との連絡に使う携帯電話(一仕事終わればゴミ箱へぽい)がだんだん高性能になっていくくだり

いかにも恐ろしげなメキシコ人マフィアの中にもいる愛すべきキャラ

やり手のDEA捜査官の使っているカメラがお高いキヤノン製(日本ならペンタックス製になるかなあ堅牢性とコスパ重視で・・・)

作品冒頭とラストに出てくるデイリリーの美しいこと

細部もいろいろ楽しめました。

お勧めです。